カリフォルニア・日記

知っていること以外話す気はない

嘘の作品履歴

f:id:ryotarookuyama:20220401102301j:image

《略歴》

奥山諒太郎(おくやま りょうたろう)

山形県出身 2000年生まれ

山形東高校在学中、演劇部に所属し「ガブリエラ黙示録」の原作を執筆。同作は2017年度の東北地区高等学校演劇発表会において最優秀賞と創作脚本賞を受賞。翌年8月に長野県上田市で開催された全国高校演劇大会・信州総文祭演劇部門に出場した。

高校卒業後上京し日本大学経済学部に進学。一度演劇から離れるが、2021年、大学3年生の夏に劇団「人格社」を結成。旗揚げ公演「グッド・バイ」の脚本・演出を手がけ、東京若手演劇祭2021(9月・王子小劇場)に出場。3年間の沈黙を破って書き上げた本作は佐藤佐吉賞2021優秀脚本賞を受賞した。2022年3月には第二回公演「三年王国」を新宿眼科画廊にて上演。脚本・演出を手掛けた。

現在はギリシアのミコノス島に居を移し、次回作「ドビュッシーパスピエ」の執筆に取り組んでいる。

《作品履歴》

  • 『ガブリエラ黙示録』(原作)2017~2018
  • 『おおきなかぶ』2017
  • 『グッド・バイ』2021
  • 『三年王国』2022
  • ロング・グッドバイ』2022
    • 投売新聞武蔵野支局から本社営業部へ異動になったハタダ。国分寺の家とも今日でお別れ。お世話になった先生にすき焼きをご馳走したら、明日から丸の内OL⁉のはずだった。本社で最初に取った電話。それが全ての始まり。「中古車フェア」を名乗る犯罪組織の調査を進めることになってしまう。そのさきにあったのは、ハタダのかつての愛車であった。
    • UFOによる爆撃で家を失ったヤブサカ。火災保険が下りず、居候先で煙たがられながらも仕事を続けていたが、かつてアパートがあった爆心地で「賢者の石」を拾う…
  • ドビュッシーパスピエ』2022
    • 僕は紺色の背広を着て、水色のネクタイを締め、内羽根のストレート・チップの革靴に足を詰めて新幹線に乗っていた。傍らには文明堂のカステラが入った紙袋があった。
    • 彼は言った「海に沈みながら永遠の夕陽を眺めているようだ」
    • 彼が月の光を浴びたときにドビュッシーと同じことを考えるかというとそうとは限らない。
  • 『スナック・シアター』2023
    •  ここは、なぜか精神科医ばかりが集まるスナック。話を聞いてもらったり、お話をしてもらったり。店主、アルバイト店員、そして客の医師たちの間には奇妙な信頼関係があって…
  • 『ヤブちゃん』2023~2058
    •  それでも地球は回っているし、僕は生きていかなければならなかった。
  • 『贋作 若きウェルテルの悩み』2023
    • 伝説と言われた恋愛ゲーム。そのゆえんは極めて高い難易度であった。恥をかきすぎるとその場で拳銃自殺を遂げてしまう謎のルールがあり、自尊心を保ったまま、放課後の甘い時間を過ごさねばならない。それは、純粋な愛ではなく、醜い自己愛の発露に過ぎないことに気が付いたとき…
  • 『シーバスリーガル12年』2023
    • 「あなたは煙草を吸わないから好き」と言われたので、その日初めて煙草を買った。
  • 『赤羽台ノワール』2024
  • 赤ずきんちゃん車輪の下でつかまえて』2024
  • 『解体されゆく旧中野駅舎』2025
    • もうここには、サンプラザもブロードウェイもない。今もあるのはあの真っ黒い謎のドコモのビルだけ。変な名前の複合施設が出来てからここはただの新宿のおまけになった。
    • ブロードウェイの地下があった部分には、未だに退去していない人々がいた。そこを中心に、中野駅北口の地下社会:ネオ・ブロードウェイが独自に発展していた。彼らがやりたい放題に地下を掘りまくった結果、東京メトロ東西線のトンネルが崩落する事故が起こる。
  • 『カリフォルニア・ロケット』2027
  • 巣鴨プリズン』2028
    • 巣鴨プリズンで生涯を終えた戦犯たち。人類を危機に陥れた彼らが、なぜ東京の僻地でじっとしていられたのだろう。
  • 『晩年』2028
    •  選ばれてあることの恍惚と不安とふたつ我にあり
  • 『斜光』2030
    •  ついに最後の写真フィルムの製造が中止されると発表された。思想の強いカメラ女子:千穂は、ペンタプリズム並みに屈折した恋心にピントを合わせることができず、スローシャッターでブレブレ、絞りは開きっぱなしで彼の姿はあまりに眩しくて白飛びしていてよく見えていなかった。最後のフィルム、最後の27枚。加水分解したピントリング、モルトが剥がれ落ちた裏蓋、にじむ彼の二重像、連動距離計に私はついていけない。露出計の針と、私の心はいつも揺れている。それでも私は巻き上げる…
  • 『殺人一家横浜家系』2031
    • 横浜に存在するとされる、伝説の殺人一家「横浜家系(よこはまかけい)」殺しのプロの一家は、再開発で立ち退きを迫られ、二子玉川のマンションへの引っ越しを控えていた。しかし、これは因縁の秘密結社「東急グループ」が横浜家系を滅ぼすために仕組んだ陰謀であった。
  • 『スカイタワー41』2041
    • 消滅可能性都市に指定された山形県上山市。出生数がゼロとなって久しい。だが、この町には、1990年代に建てられた41階建ての場違いなタワーマンションがそびえたっていた。
    • 少子高齢化は加速する一方だが、山形新幹線はいつまでたっても遅いままだ。一切発展しないまま衰退の一途をたどる山形県。ついに市町村の9割が財政破綻した。
    • 町の大人たちに失望した少年たちの間では、新種のドラッグが流行していた。上山市にいくつも乱立したドラッグストア。その多くが今や闇の商売に手を染め、その結果山形中からジャンキーとなった少年たちがあつまり上山市は一種のスポットとなっていた。闇ドラッグストアの元締めの青年「ヤマザワ」は、「月のはじめの元気市」と称し、少年たちを引き連れ町の大人たちに「超暴力」をふるっていた。市役所の職員を全員殺し終わってしまい退屈していたヤマザワたちは、半分くずれかかったスカイタワー41の最上階を目指す。
  •  『シン・高島平』2045
    •  廃墟と化した高島平団地。14階建ての20棟を使って、人類史上最大の「ドミノ」が行われた。とっくの昔に廃止され、忘れ去られていた旧都営地下鉄三田線のトンネルの空洞の中をものすごい勢いで爆風が押し寄せる。衝撃波の直撃を受けた旧三田線沿線の水道橋から大手町、内幸町までは壊滅的な被害となり、結果的に東京の半分が「高島平」になる。荒野と化したかつての東京「シン・高島平」に、衝撃波が地を穿ち形成された「シン・荒川」が流れる。